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稽古を始める。
そんな決断をしたら、知っていて欲しいことがあります。
それは「入門」するということ。
茶道には流派がありますね。
そして、それぞれの流派には家元制度があります。
特に個人の先生の門をたたいたら、それはその先生の門でもあり「家元の門」でもあるのです。
このコラムは表千家を前提に書いています。他流派は異なる部分もあると思います。予めご了承ください。
おそらくこれから皆さんがお世話になる先生にも茶道の師匠がいるでしょう。
その師にもまた別の先生がいて、最終的にその繋がりは家元不審庵に集約されていきます。
そして、不審庵には家元の直弟子が務め、不審庵の仕事をこなしながら表千家のお茶を全国で皆さんの師に伝えています。
表千家では宗匠と呼ばれる方々で男性です。
茶道はもともと男の世界。
家元は必ず男性ですし、家元自ら入門を認める直弟子は男性に限られているのです。
お茶を始めると、先生を通して家元への入門手続きをすることになると思います。一定のお金を(入会金のようなものです)を納めると、家元から入門の免状が届きます。
これが表千家のお茶を「習いますよ」、「お伝えしますよ」と言う互いの意思表示になるのです。
家元を中心としたピラミッド型のネットワークが家元制度の基本形ですが、皆さんが例えば表千家流の茶道を始めるとしたら、それはこの制度の門をたたき、その中に入ることになります。
そして初めて表千家流の茶道を正式に「伝えられる」立場になるのです。
これが正式な意味での「入門」です。
家元制度の中に確立された伝統文化。
茶道に限らず、そのような習い事を始めるなら、組織や制度、その背景も少し理解しておいた方が後々のために安心です。
伝統文化の門をたたき、その門をくぐって歴史ある制度の中に入るのは、現代の私たちにとって、時に違和感を覚える場面もあるかも知れません。
それでも畳に座るものだけが手にできる、素晴らしい世界が皆さんを待っているはずです。