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茶道を始めることにしたのなら、通おうと思う教室がどんな稽古スタイルか。これは結構重要です。
「カルチャーセンターのグループレッスンと個人の先生のレッスンってそんなに違うの?」
その答えの本当のところ、ちょっとお話ししたいと思います。
このコラムは山桃庵を前提に書いています。
教室によっては考え方が異なることもあると思いますので、予めご了承ください。
「相伝」という言葉を聞いたことがありますか?
その字の通り、相対して伝えるということ。
インターネットは勿論、印刷技術さえなかったその昔から、茶道は綿々と伝えられてきました。
その手法が相伝。つまり口伝です。
師弟の間で口頭により、丁寧に受け渡されてきたバトン。
それが茶道の歴史なのです。
もちろん書店に行けば表千家の書籍はありますし、家元が監修するものも中にはあります。
ただ、やはり稽古は相伝が基本。
先生からお弟子さんへ、直接伝えられる内容が教科書よりも勝ります。
このスタンスについては、家元の考え方も変わらないと思います。
簡単に言えば軌道修正。
相伝に頼る伝統の継承は、どこかで各々の先生のオリジナリティが入ってしまいます。
意図しなくても、記憶違いとか勘違いでちょっとずつずれるところが出てくる。
だから基本的な箇所に限り、書籍などの「情報」で修正を図っているのです。
そう考えてよいと思います。
茶道人口が劇的に増加した戦後、その伝統をどう守り伝えるか。
特に千家の茶を正統派として保守的に守り伝える表千家にとっては、恐らくたいへん重要な問題だったのでしょう。
戦後間もなくから今に至るまで、監修書籍や会誌同門、茶道雑誌(河原書店)などを媒体として、表千家の「茶道」を理念から実技に渡り広く発信し続けています。
でもその様な書籍で得られる情報は限定的。
本格的に稽古を積めば、書籍では解決できない不明点だらけなのも実際のところです。
だからこそ原点に戻り、先生から直接学ぶ「相伝」による稽古が重要になるのです。
長くなりましたが本題に入りましょう。
グループレッスンは決してダメではありません。
むしろ茶道の雰囲気を掴むには、個別レッスンに無い利点があります。
前述したように、茶道の稽古は相伝によるマンツーマン。
グループレッスンとは言っても、その場その時を切り取れば、先生とのマンツーマンです。
要はその時間が長いか短いか。
教科書に具体的に乗っていない身体の動きを微妙に調整し、道具の扱い方を細かく修練し、茶の心を学ぶのが茶道の稽古。
だから相対で教えてもらう時間が、真剣に取り組めば取り組むほど重要になるのです。
あとは皆さんの茶道に対する向き合い方次第。
どこまでハマるのか。
突き詰めるのが好きな方は最初から個人の先生の門をたたくのが良いと思いますし、まだフワッとして自分に合うか見極めたい方は、カルチャーセンターや市民講座の茶道教室を受けてみたらよいと思います。
このホームページの情報も参考にして、ぜひ皆さんにピッタリの「始めの一歩」を探し出してくださいね。