
目の前の人、隣の人、少し離れた人。
茶道では誰かにお辞儀をする時、基本的にはその人の方を向きません。
ただ正面に向かい、深く頭を下げます。
相手の顔を見て挨拶をする、礼を述べる、謝ることは、コミュニケーションの基本として子供の頃から教えられてきたように思います。
そう考えると少し変ですね。
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茶道の所作には一つひとつに深い意味があり、それが洗練され、何百年と伝えられてきました。
お辞儀ひとつも然り。
一つひとつのお辞儀は其々の意味を持ち、そこには大切な想いが込められています。
相手を見ないからこそ何倍も相手を意識し、言葉なくして心が通う。
無言の一礼。
心で交わす一言が静寂のなかに響きます。