香木を焚いて香りを楽しむ香道。
これと同じように、茶道の稽古にも香を聞く特別な場面があります。
稽古にあるくらいですから、香を楽しむ茶事も行われるのかも知れませんが、なかなかお目にかかることはありません。
さて、香は「嗅ぐ」ではなく「聞く」と言います。
聞くのは本来耳の仕事。
ちょっと不思議ですね。
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でも実際に香を聞いてみるとその意味がなんとなくわかる気がします。
香木を焚く香りは強くとも僅か。
気流を考え、手を使って鼻までその香りを導きます。
その繊細な香りに触れる感覚は、そっと耳をそばだて聞き耳をたてるあの感覚に似ています。
向こうからやって来るのでは無く、静かに香りに向かい主体的に感じ取る。
そんなことを思うと、香を「聞く」と表現したそのセンスが、なんだかとてもお洒落に感じてきます。